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【報告】2017年度被災者支援活動

21Sep

【報告】2017年度被災者支援活動

2011年3月11日、あの日に生まれた子どもたちが、20歳になるまで支援を続けようと、「com7300委員会」を立ち上げ、東日本大震災被災者支援に取り組んでいます。「com」はラテン語で「ともに」、「7300」は20年間の日数です。東京電力福島第一原子力発電所の事故から7年、原発事故の終息は程遠く、放射能被災による課題はそれぞれの生活の上に取り残されています。日本YWCAは、リフレッシュプログラム、セカンドハウスプログラム、活動スペース「カーロふくしま」を拠点とした事業、の3本柱で支援活動を行っています。これからも、多くの「小さな声」の叫びを聴きながら、活動を続けていきます。

 

リフレッシュプログラム(保養キャンプ) @函館・福島・東京・静岡・名古屋・大阪・福岡・熊本

放射能の影響の大きい地域で日々を暮す子どもとおとなが、心身ともにリフレッシュするために実施しているプログラムです。全国各地の地域YWCAが、それぞれの地域の特色を生かしたプログラムを夏や春の子どもたちの長期休暇に合わせて行います。海や川での水遊び、キャンプ場での野外料理、自分たちで作った凧をあげるなど、日常生活の中でできなくなってしまった「思いっきり遊ぶこと」を体験できる数日間です。
*2017年度は8つの地域YWCAで実施。142名が参加しました。

セカンドハウスプログラム

横浜・名古屋・神戸にある3軒のセカンドハウスは、被災者の方々が家族あるいはグループ単位で、また単身の女性が滞在し、自由な時間を過ごせる住居です。子どもがまだ小さい、あるいはきょうだいの年齢差などがあり保養プログラムに参加できない場合、または家族そろってリフレッシュしたい場合など、セカンドハウスを自宅のように利用することができます。2011年からスタートし、夏休みや冬休みを中心に数多くの家族に「第2の我が家」として親しまれています。毎年利用する家族も多く、大家さんとのあたたかい触れ合いによって、日々の生活の不安やストレスから解放される、という声も届いています。
これらの住居は、活動に賛同してくださった大家さんから無償で提供していただき、地域のYWCAが管理を担っています。皆さまからのご寄付で、利用者の交通費の一部を補助しています。

*22家族83名利用

利用者の声

・ 4回目の利用で、初めて神戸セカンドハウスを訪れました。多くの方々に我々は助けられているのかと改めて思いました。感謝の言葉しかありません。

・ 父、母、息子の3人で保養に行く機会がありません。貴重な家族での楽しい時間が過ごせました。ありがとうございました。

・ 以前に私と息子は県外に母子避難をしていました。もっと長く続けたかったのですが、やはり金銭面で無理でした。家族でとても楽しい時間を過ごすことができ感謝しています。

・ 家族みんなで歩いて、走って、自転車でスーパーに買い物に行く。こんなあたりまえの事がとても楽しかったです。不安な気持ちが一気に吹き飛びました。

YWCA活動スペース「カーロふくしま」

 「カーロ」はイタリア語で「親愛なる」「大切な」を意味します。「カーロふくしま」は福島の女性と子どもたちの日々の生活をサポートし、リフレッシュとふれ合いの大切な場所となるよう、2012年11月に開設しました。自由に立ち寄り、日頃話すことのできない心配事について安心して話し合ったり、情報を得たり、共有したりすることができる「セーフ・スペース」(安全な場)として、 被災された女性と子どもたちの心身を守り、課題解決の力となることを目指して運営しています。
 地域の関わりや分かち合いを広げ、生活に癒しと楽しさをプラスするイベントや講座、独立を目指す女性への支援、県内外の保養団体との交流、全国のYWCAが開催する保養プログラムの案内や、セカンドハウスプログラムの窓口としての利用説明会、高校生を主体とした再生可能エネルギーを学ぶ取り組みなどをおこなっています。ここでの出会いと活動を起点に、自ら起業した利用者や、新たに団体を立ち上げた、子どもをもつ女性たちのグループもあります。
今年度は、新たに「カーロふくしまおはなし会」を開催し、「認定NPO法人いわき放射能市民測定室たらちね」の医師と職員をお呼びしました。福島の女性たちが生活の中で不安に思うことや声に出せないことを、専門家を交えて話し合い、思いを共有しました。

*のべ850名利用

・ カーロふくしまおはなし会 (2回開催)
・ わくわくサンサン教室(5回開催:福島YWCA主催による夏休みの子ども教室)
・ 福島Y’sカフェ(福島YWCA主催によるワークショップ・4回開催)
・ 福ふくマーケット(安心安全な食べ物販売と女性によるワークショップのマルシェ・2回開催)
・ 女性が企画した、癒しの空間作りや発酵食のワークショップ
・ その他、パステルシャインアート教室、手織り教室などへの会場提供など

ふくしまから考える新しいエネルギーPart3 「みんなでエネフェス!」

2016年度に引き続き、福島県在住の高校生が自然エネルギーの仕組みや使い方を学び、日々の生活に活かし、社会に広めていくことを目的としたプログラム「ふくしまから考える新しいエネルギー」を実施しました。「Part3」の今年度は、これまでの集大成として、6月から3回の準備会を重ね、9月2日に福島市内にて「みんなでエネフェス!」イベントを開催しました。同イベントは、高校生たちが準備会で福島県内外の再生可能エネルギー(再エネ)について学んだ成果を、自らの企画で多くの方に見て参加してもらい、再エネの未来を楽しく伝えるものです。企画の一つ「再エネ総選挙」では、参加者それぞれが「推し」の再エネを推薦し、来場者による投票を行いました。

*来場者数150名

参加した高校生の声

・ 限られた時間の中、自然と役割分担ができ、進められたのが良かった。

・ プロにたくさん参加してもらって、話し合いながら深く進められた。

・ みんなでいろいろな考えを出しあい、多くの工夫をして準備をしてきたので、当日大成功でよかった。

・ 自分で人に何かを伝えるということが経験がなかったので、エネフェスで人に再エネのことを伝えられてよかったと思う。

・ 再エネについて知識を深めることができ、知るだけでなく、いろいろな人に情報を発信することができて良かった。

 

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