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作品紹介 〜おすすめ映画5つ〜

 戦争を実際に見たこと・体験したことのない私たちが、戦争について触れ、学ぶには、本を読んだり、実際にその地を訪れてみたり、経験者や伝承者のお話を聞いたりと、様々なツールがあると思います。

私はその中でも、“映画を観る”という方法で戦争や平和について感情移入し、深く考えました。今回は、様々な土地で様々な年代の人が体験した戦争をテーマに、見るべき映画を三つ、放映中の映画でおすすめのものを二つ紹介します。

【野火】

フィリピンを舞台に、餓死やそこに至るまでの兵士たちの生きざまを、大岡昇平さんの経験談を基にして描いた作品です。飲まず食わずの極限状態で、人間が徐々に壊れていく様子が生々しく残酷で、音楽がないこと、兵士の息遣いや表情がリアルに表現されていることで、“あぁ、戦争とはこういうものなのか”と、戦争の愚かさや虚しさをまじまじと感じさせられました。戦争を始めた国同士のやり取りや戦中の激戦、国民の生活を切り取った映画とは異なる視点の作品であり、カニバリズムについても描かれているため、衝撃は大きいですが、戦争にはこういった世界もあるのだと知ることができました。グロテスクな描写が多いので、トラウマ注意で観てみてください。

【この世界の(さらにいくつもの)片隅に】

この世界の片隅に映画HP から引用 https://konosekai.jp/

戦前から戦後の広島での暮らしが、主人公すずの視点で描かれている作品です。

すずさんが、少し抜けているところや感情豊かなところを持つ、どこにでも居そうな、人間らしく、親しみを感じる人物であることや、映画自体が戦争にフォーカスするのではなく、人生の真ん中で戦争を経験するすずさんの生きる姿に主眼を置いたものであることから、戦争によっていかにして人々の普通の生活が崩れ、戦争がいかにして人々の幸せや笑顔、大切な人を奪っていくのかを、今まで見た映画で最も身近に感じられました。

“もし、戦争になったら、どんな暮らしになるだろう、家族を戦争で失うってどんなだろう”こんな風に想像することは難しいです。しかし、この映画を観ることで、今、何気ない幸せが確かにあって、この幸せを守っていくことの大切さ、戦争をする国にさせないことの大切さを、しみじみ感じるのではないかと思います。

【硫黄島からの手紙】

クリントイーストウッド監督によって、第二次世界大戦中の硫黄島での日本軍とアメリカ軍の戦いを、日本軍視点で作られた、実話が基になった作品です。

自国の兵士と同様に敵である米兵にも故郷に残してきた家族がいて、家族は兵士を愛し、心から無事に帰って来ることを願っている。そうして自分も敵も同じ人間だと理解し、本当は、心では家に帰りたいと思いつつも、上の命令に従い、自分の命を懸けて最期まで戦い続けなくてはならない。

戦争の最前線で戦う、兵士たちの苦しみが伝わってきて終始胸が締め付けられました。

何のために戦い、何のために、誰のために死んでいくのか。もし自分の弟や父、従兄弟、大切な人が戦争に連れて行かれて、国の大義や名誉のために殉じて死ぬよう命じられたら、残された手紙や持ち物だけが家に帰ってきたら。

見た後に悶々と考えさせられる作品です。

次に放映中のおすすめ映画、

【復讐者たち(原題:PlanA)】と【太陽の子】を少し紹介します。

復讐者たちは、ナチスによって迫害を受け、家族を失ったユダヤ人が、ドイツ人に復讐のための作戦を実行するという、実話が基になった作品です。家族を殺されたユダヤ人のやりきれない思い、復讐の先にあるものや最終的な彼らの選択を見て、皆さんは何を感じるでしょうか。

二つ目の太陽の子は、原子爆弾の開発に携わった若者の希望と葛藤の物語です。科学者が技術を、何に、どのように生かしていくべきか、という問いを投げかけられる作品です。ぜひ劇場に足を運んで観てみてください。

映画は、監督や作者の伝えたいことが、登場人物の声のトーンや話し方、振る舞いや表情、会話の間合いや、色使い、音楽の使い方やタイミングなど、非常に多くの要素で表現されています。

映画が伝えたかったことの受け取り方は観る人によって異なると思います。だからこそ、友達や家族とどのように感じたか、どのように考えるべきか共有し、互いの声を聞き合って自分の中に意見を持つことができるところに良さがあると考えます。

コロナ禍の今、戦争を経験した方と連絡を取り合ってお話を聞いたり、広島や長崎をはじめとする、戦争が行われた地に足を踏み入れたりすることは難しくなっています。また、家で過ごすことが増え、家族と会話する頻度が増えたのではないかと思います。

これを機会に、戦争や平和に関する映画を見て、政治の在り方や自分たちにできることを深く考え、向き合ってみるのはいかがでしょうか。

ユースボランティア あずさ

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