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参加報告:緊急院内セミナー「どうする? 放射線による健康被害への対応-市民・専門家による提言」

8Mar.

参加報告:緊急院内セミナー「どうする? 放射線による健康被害への対応-市民・専門家による提言」

去る2月13日、原発周辺13市町村の3万8,114人の18 歳以下の子ども・若年者のうち3人が甲状腺がんと診断され、7人に強い疑いがあることが明らかになりました。
それを受けて、3月7日、衆議院第一議員会館にて緊急院内セミナー「どうする? 放射線による健康被害への対応-市民・専門家による提言」(主催:放射線被ばくと健康管理のあり方に関する市民・専門家委員会)が開催されました。YWCAからは、2名が参加してきました。

セミナーでは、「放射線被ばくと健康管理のあり方に関する市民・専門家委員会」からの緊急提言が紹介されました。提言は、2月13日の調査結果を現段階で「原発事故との因果関係はない」とする福島県立医科大学の説明は科学的姿勢とは程遠いものであるとし、調査範囲の拡大や速やかな調査実施のための医療・検査体制の強化を求めるとともに、政府がおこなった福島県県民健康管理調査の問題点を指摘し、改善のための措置を要請しています。

セミナーでは、今回の事態への政府の対応に関して、疫学的視点や医師としての視点など専門的観点からの問題提起がなされるとともに、「子ども・被災者生活支援法」の成立に関わった国会議員からの報告もありました。政府との対話セッションでは環境省・復興庁からの出席があり、NGOとの質疑がおこなわれました。質疑応答では、双葉町の井戸川元町長も駆けつけて発言しています。

以下、参加したメンバーの感想です。

「初めての院内セミナー、様々な方からの生の声を聴くことができました。
甲状腺検査で、3人に甲状腺癌が発見され、7人にがんの疑いが生じました。セミナーで発言された専門家の方は、このことを受けて「チェリノブイリ事故から考えると、福島の場合、健康被害を受けるまでに4年ほどかかると思っていた。しかし、こんなに早く福島から健康被害が出るとは…。」と話され、また甲状腺癌以外の病気も指摘されていました。6歳の子どもに初潮が来たとの報告、甲状腺以外にもホルモン障害も出ているとの報告もありました。耳を疑いたくなる現実です。しかし、政府は因果関係がないと言い、検査機能の充実、医療進歩のため、関係はないと言いました。しかし、そうやって頭ごなしに因果関係を否定し、思考を止めないでほしいと思いました。
また、双葉町の井戸川元町長が話された言葉が印象的です。「いったい公務員って何のために働いているのだろう?国民のために、という大前提の元に職業が与えられているのでは?できない理由をさがして、進展していないことのいいわけにし、言葉だけのやりとりをしているように思う。被ばくをさせない環境に今すぐ子どもを移動させなさい、これが、国民の生命財産を守るための手段だろう、今も今までもずっと被ばくしている。放射能被害を受けたのだ。発症するかしないかではなく、あの場にいたかいないかで考えてください」と強く訴えられていました。その通りだと思いますし、命が大事、子どもを守ってほしい、と改めて思うと同時に、3.11から2年が経った今、原発事故を風化させないために、これからも声を上げ続けていかなければいけないと強く感じました。」

緊急院内セミナー「どうする? 放射線による健康被害への対応-市民・専門家による提言」についての詳細は、FoE Japanウェブサイト(外部サイト)をご参照ください。
セミナーのビデオ録画は、
(第1部)
(第2部)
でご覧になることができます。

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