【団体・個人賛同募集】イスラエルおよびアメリカ合衆国によるイラン核施設への攻撃に強く抗議する声明
いのちと人権の尊重、対話による紛争の平和的解決の努力を!
イスラエルおよびアメリカ合衆国によるイラン核施設への攻撃に強く抗議し、恒久的停戦に向けて対話を実施することを求めます
2025年7月4日
日本YWCA
会長 樋口さやか
総幹事 山本知恵
2025年6月13日、イスラエルがイランの核施設への攻撃を行い、続いて6月21日には米国がイラン国内の3つの核施設を攻撃しました。これらの行為は、国連憲章の趣旨に反するとともに、明白な国際法違反であり、決して容認されるべきものではありません。6月25日、イスラエル・イラン間で停戦が合意されましたが、きわめて危うい状況です。
イスラエルとイランによる軍事攻撃の応酬による犠牲者の大半は民間人との報告があり、女性や子ども、医療従事者を含む無辜の市民が犠牲となっています。このように、戦争において犠牲になるのは常に民間人であり、特に女性や子どもたちのように社会的に弱い立場に置かれている人々です。
さらに、今回の米国およびイスラエルによる核関連施設への攻撃は、広島・長崎の惨禍から人類が学び、再び非人道的な結果を招かぬよう積み重ねてきた世界中の人々の努力を踏みにじる行為です。このような行為は、核拡散防止条約(NPT)体制を揺るがし、核兵器のない世界の実現を阻むものであり、断じて看過することはできません。
トランプ大統領はこの攻撃を広島・長崎への原爆投下になぞらえる発言を行いました。広島・長崎に投下された原爆は言葉にできないほどの悲惨さと破壊をもたらしました。2017年に成立した核兵器禁止条約に明記されているとおり、核兵器は非人道的・無差別な大量破壊兵器です。今も心身の傷を抱えて生きる市民がいるのです。そのことに思いをいたさず、安易な例えとして広島・ 長崎を使うことは言語道断です。一国の大統領には、これらのことを真摯に受け止める心映えを求めます。
私たちは、イスラエルおよび米国によるイランへの攻撃は重大な国際法違反であり、国際法が保障しようとする平和の秩序を大きく乱すものとして断固抗議します。そして、すべての当事者、および世界の国々のリーダーに対し、恒久的な停戦実現のためあらゆる努力をすることを強く求めます。
また、イスラエルによるイラン攻撃の背景には、2023年10月から続くイスラエルによるガザ侵攻があります。戦闘の続くガザでは飢餓の危機が深刻であり、支援物資を求めて集まる人々に対しイスラエル軍が発砲し、死傷者が出るという痛ましい事態が起こっています。西岸地区での暴力も激しさを増しています。私たちは、国際法を無視して行われるイスラエルによる非人道的な占領政策、軍事攻撃を強く非難し、ガザを含むすべての占領地からの速やかな撤退と、軍事行動の即時停止を求めます。
さらに、日本政府に対しては、米国およびイスラエルの行動を明確に批判し、平和的解決と核兵器のない世界の実現に向けて主体的に行動し、積極的にリーダーシップを取ることを強く求めます。
私たちは今、世界中で戦火の止まない時代にあって、暴力というものに鈍感になっているかもしれません。軍事攻撃という手段は正当化され得ないものであり、このような手段によって平和をもたらすことは不可能です。
核なき世界を目指して、関係国を含む国際社会が暴力的な手段を用いるのではなく、人権と国際法を重んじ、道のりは長くても対話による平和的解決に向けた取り組みを行うよう強く呼びかけます。私たち市民一人ひとりが、今いる場所から声を上げていきましょう。