YWCA情報

ニュースアーカイブス 2011年1月

エンパワーするNGO 日本YWCA~women leading change報告:1/24院内集会「ガザを忘れない」(2011年1月28日)

イスラエル軍によるガザの攻撃から2年が経ちました。日本YWCAは9つの関係団体/NGOとともに、ガザからのゲストによる最新報告を聞く会を、市民・国会議員・外務省関係者を交えて参議院議員会館会議室で2011年1月24日に開催しました。
日本YWCAはガザの状況の早期改善と、中東の平和の実現を求めます。

     1/24院内集会

日々のニュースや新聞では、イスラエルによる入植地開発をどうするか、アメリカはどこまで介入できるか、そんな話題がぽつぽつと繰り返されるばかりです。

そこに住む人の顔や声が聞こえてこない乾いた情報ばかりで、私たちはこのことを遠い世界の問題として消費し、氾濫する情報の波にのまれて忘れていくのではないでしょうか。そうした中、ガザからのゲストによる生きた報告を聞けることは、私たちの目・耳・心を大きく開くものでした。

今回来日したアハメド・スーラーニさんは、パレスチナ農業開発協会(PARK)で渉外担当をされており、農業と持続可能な開発、人権に基づいた開発の視点で、ガザの状況改善と平和の実現について報告されました。

60年来続く紛争に加え、2007年にイスラエルが強化したガザの封鎖、そして2008年暮れのガザ攻撃と、ガザでは土地だけでなく人々の自尊心や人権も荒廃し悪化しています。 そうした中、スーラー二さんらは「貧しい農民から貧しい家族へ」というプログラムを、地元農民の発案により始めました。四方が完全に封鎖されたガザでは、物資の輸出入もできなければ人の移動でさえイスラエルによって一方的に制限されています。水でさえイスラエルの管理下にあるため、農業用水はおろか飲み水でさえ確保に苦労しています。

こうした物資の不足問題を打開する上で、そして、海外からの援助に頼る「依存の文化」を断ち切る上で、スーラー二さんらのプログラムは成功しています。貧しい農民が荒廃した土地を耕し細々とでも農業を続けることで土地が回復し、わずかながらの収穫物を貧しい地元の消費者に売ることで、共存のサイクルが生まれています。

このプログラムはまた、女性の雇用創出と収入の確保にも役立てられています。
紛争地域では男性が命を落とし、女性が独りで一家の世話をしなければならないことが多々あるため、女性が収入を得られることは一家の命に関わることであり、とりわけ弱い立場に追いやられる女性自身の生活の安全を守ることでもあるのです。女性たちはまた、小額の資金を出し合って、集まったお金を必要な時に借り合う相互援助のシステムを立ち上げていることも報告されました。このほか、種子を採取して保存するプロジェクトも始め、一度土地を去った農民たちが戻ってきているという喜ばしい報告もされました。

スーラーニさんが特に強調したのは、人権に基づいた公正な開発がこれからは必要だということでした。これまでは、海外からの支援は物資を一時的に送るものであったり、医療チームを派遣するなどで、ガザの人材を活かして雇用創出する取り組みはなされてきませんでした。本来パレスチナの人々は教育熱心で、この地域では長い歴史を通して経済も文化も高い水準にありました。 ガザの悲惨な状況の中には、封鎖が解除されれば改善できるものがいくつもあります。――それらは、水、土地へのアクセス、移動の自由、輸出入など、すべて基本的人権に関わるものです。

これまでの日本の経済支援に感謝していることを述べたスーラーニさんは、今後日本の市民社会、政府、専門家へ期待することとして、技術支援や人材育成のパートナーとしての介入、政治的な介入を挙げました。これまで国際社会では、米国とイスラエルがパレスチナ―イスラエル問題のキーを担ってきましたが、そこにもっと色々な国々が関与して、公正な開発を実現しようというものです。

このほか、会に出席した超党派の議員から、2010年中に南米諸国が次々とパレスチナを独立国家として承認している動きがあることが報告されました。これについては、実際の国家承認のプロセスの難しさなどが外務省担当者から説明されましたが、スーラーニさんは実際の国家承認の是非とは別にこうした動きが生まれることで、イスラエル/パレスチナ双方で平和を望みながら出口のなさに諦めかけている市民に、現状を変える希望と動機を与えるきっかけになるとコメントしました。

一過性の支援ではなく、パレスチナの人々の人権が尊重された長期的な視野にたった開発―
支援者ではなくパートナーとして、パレスチナと向き合うことが私たちには強く求められています。
当日は、50数席の会議室は満員で、YWCAからは5人が参加しました。

(日本YWCA 国際担当 根岸朋子)

エンパワーするNGO 日本YWCA~women leading change国会院内集会「ガザを忘れない」(2011年1月17日)

多大な死傷者と被害を出した2008年末のイスラエル軍によるガザへの大侵攻から2年。ガザの様子はすっかり忘れ去られています。時折の報道からは封鎖緩和がすすんだという話もありますが、実際のところは、建築物資などが依然として全く搬入できず、実際の復興は遅々として進んでいません。

その結果、失業率は改善されず、いまだに人口の8割が支援に頼らざるを得ない経済状況です。働く子どもたちもあちこちで見られます。封鎖という「集団懲罰」がガザに暮らす150万人の人権を侵害し、ガザの復興と発展を阻害している状況が4年以上も続いているのです。

侵攻から2周年、日本のNGO共同呼びかけで、院内集会を開催いたします。当日はガザから現地NGOの職員も来日し、封鎖の現状、深刻化している環境問題、人権問題などについて現地の最新情報を伝えてもらいます。また、国連人権理事会勧告のその後についての報告、日本政府のガザ支援の現状について外務省からの報告も受ける予定です。

ガザの現状を打開するために、また復興と再生のために日本を含む国際社会は何をすべきか。
多くの国会議員、ジャーナリスト、市民の皆様の参加をお待ちしています。

院内集会 日 時:2011年1月24日(月)13:30~14:30
場 所:参議院議員会館 B1F B103会議室

議員会館の入り口ロビーで係りの者が入館証をお配りしますので、 少しお早目にお越しください。

内容:
・ガザからのゲストによる最新報告
・国会議員からの発言
・日本政府のガザ支援 外務省からの報告 ほか


共催団体:
日本YWCA、社団法人アムネスティ・インターナショナル日本/特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク/特定非営利活動法人日本国際ボランティアセンター(JVC)/日本聖公会東京教区「エルサレム教区協働委員会」/特定非営利活動法人パレスチナ子どものキャンペーン/パレスチナの子供の里親運動/ピースボート/特定非営利活動法人ヒューマンライツ・ナウ


連絡先:
日本YWCA
〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台1-8-11東京YWCA会館302号室
電話:03-3292-6121 FAX:03-3292-6122、e-mail:office-japan@ywca.or.jp
電話受付時間:月~金 9:30~18:30(祝日を除く)

エンパワーするNGO 日本YWCA~women leading change「児童買春・児童ポルノ禁止法」の早期改正を求める署名へご参加ください(2011年1月12日)

signature 日本YWCAは、日本ユニセフ協会の「児童買春・児童ポルノ禁止法」の早期改正を求める運動に、賛同しています。

署名はこちらから→

多くの皆様の署名参加をお願いします。


お問い合わせ
日本YWCAビジョン2015推進委員会
担当:仁田、根岸

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YWCA(ワイ・ダブリュー・シー・エー/Young Women's Christian Association)は、キリスト教を基盤に、世界中の女性が言語や文化の壁を越えて力を合わせ、女性の社会参画を進め、人権や健康や環境が守られる平和な世界を実現する国際NGOです。
1855年英国で始まり、今では日本を含む100以上の国・地域で活動しています。

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