YWCAの風

【読みもの】全国のYWCAにバーチャルでこんにちは!バーチャル訪問記―⑱長崎YWCA

今回の訪問先は長崎YWCAです。会長の宮田さん、金武さん、田中さん、村岡さんが、長崎YWCAの事務所がある長崎銀屋町教会でお出迎えくださいました。

宮田: ようこそ長崎YWCAへ!

リポーター(以下、「リ」): こんにちは!長崎は異国情緒ある街ですね。

村岡: そうでしょ。長崎には多くの教会があり、キリスト教文化に特徴される街だからかもしれませんね。観光客も多く、世界遺産大浦天主堂には多くの人が訪れています。

リ: 長崎の潜伏キリシタンの歴史にも興味があります。

村岡: そうですか。それでは長崎の歴史を少しお話ししましょう。大浦天主堂は、長い迫害と殉教 の時代を経て、幕末1865 年に、南山手の居留地の丘に建てられました。翌年、浦上の潜伏キリシタン10 数名が訪れ、神父に信仰を告白しました。これが「信徒発見」といわれる出来事です。

リ: 「信徒発見」のこと、聞いたことがあります。

村岡: 因みに開国後最初に建った教会はカトリック教会ではなく、プロテスタントの教会でした。1862年に、オランダ坂を上った東山手の活水学院付近に建てられたそうです。潜伏キリシタンたちはその十字架を見て、真っ先にこの教会を訪れたそうですが、対応した宣教師が妻帯者であったため、ここは「カトリックではない」と、帰ったというエピソードがあります。東山手の一帯は、このような英国聖公会の宣教師たちによって教育への取り組みが進められ、日本のミッション・スクールの基盤となりました。

リ: 長崎YWCAはいつ頃活動を始められたのですか?

宮田: 長崎YWCAは、1964年に発足しました。今年で58年目となります。1986年に、日本キリスト教団 長崎銀屋町教会の新館建設時に、長崎YWCAの活動の拠点として部屋を貸していただき、現在に至ります。長崎銀屋町教会の皆さんには本当に感謝しています。

長崎の人々は、被爆によって多くのものを失い、苦しみ、悲しみを、平和の願いとして、それぞれの立場で憲法、核兵器廃絶、戦争反対の取り組みを行ってきました。私たち長崎YWCAも、毎年、憲法記念日にはYWCAののぼり旗をもって市内を平和行進しています。

田中: 長崎YWCAの活動の一つに「キリスト教講座」があります。現在、活水学院の宗教主任の 三河悠希子先生が講師を担ってくださっています。人気の講座なんですよ。

金武: 毎週木曜日の午後7時からは、デビ黒岩先生による「英語クラス」を行っています。コロナ前までは先生を囲んで夕食会も行っていましたが、今現在はZoomでお話したり、ビンゴしたりと、これもまた楽しい時間を過ごしています。これも人気のクラスで、10年以上も通ってくださっている方もおられます。

宮田: 憲法についての学びの場として「憲法カフェ@長崎」を開いています。今年は「日本国憲法のいま」と題して、長崎大学核兵器廃絶研究センターの山口響さんにお話いただいています。

銃撃によって安倍元首相が命を落とし、2日後の参議院選挙で与党が勝利して、改憲勢力が3分の2を占めたことや、世論も徐々に改憲に好意的になっている現状もお話いただきました。改憲の動きから目が離せない状況です。だからこそ、私たち長崎YWCAは草の根の小さなグループですが、改憲反対の声を発信し続けたいと思います。

金武: 「平和問題講座」では、新聞記者の方に、「普天間飛行場返還合意から25年」という題でお話を伺い、沖縄の問題は国民全体で考えなければならない重要な問題であることを再認識しました。これをシリーズ化して続けていく予定です。

田中: 1987年8月1日に、「長崎平和の母子像」の除幕式が行われました。この母子像の建立の事務局を長崎YWCAが担当しました。原爆で数十万人もの命を失い、苦しむ様に、長崎の女性たちが立ち上がって、核兵器廃絶と平和への思いをこの母子像に託しました。思想・信条をこえ、核兵器・戦争・公害のない真の平和への思いを一つにしてアピールし、全国の人々の賛同とご寄付によって、この像の建立が実現したのです。制作者の沖縄県読谷村の彫刻家、金城実さんは、この母子像のモニュメントをつくる意味を「二度と繰り返してはならない人類の愚直さを子孫に残していく形象の創造である」と述べています。読谷村の長浜の方たちが地域をあげてこの母子像の制作にご協力くださいました。今も苦しみ闘う沖縄と長崎は、平和をつくり出すことがいかに困難なことかと、かみしめています。

宮田: 今年7月、「核の問題学習会」の講師として、核兵器廃絶市民集会ナガサキ代表の朝長万左男さんを迎え、核なき世界への最終ステージとした「核兵器禁止条約発効後のシナリオ」について、お話しいただきました。被爆者のみなさんの長年にわたる核兵器廃絶への願いと地道な運動が、条約発効の力となったと語られました。

ロシアのウクライナ侵攻で、核がチラつき、軍縮はどうなるのかと思いました。しかし私たちは核なき世界に向けて、「核はいらない」と声を発し、心を一つにしていかねばなりません。

金武: 長崎YWCAの会員は12名と少ないながらも、会員デーや食事会など、集まってアイディアを出し合い、親睦を深めています。ぜひ皆様もおいでになってください。

リ: 少ないメンバーながらも、精力的に平和への取り組みをされている長崎YWCAの皆さん、素晴らしいですね。皆さんの活動の様子がとてもよくわかりました。 ありがとうございました。最後に長崎の「お国言葉」でご挨拶をおねがいします。

長崎YWCAのみなさん: 風光明媚な長崎にこんねぇ、待っとるばい!

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