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【ウェビナーレポート】「パレスチナの今とガザの子どもプログラム報告会」(11/29)

9Dec

【ウェビナーレポート】「パレスチナの今とガザの子どもプログラム報告会」(11/29)

登壇者(敬称略)

1.歓迎と挨拶 Amal Tarazi(パレスチナYWCA総幹事)
2.日本YWCAからメッセージ 藤谷佐斗子(日本YWCA会長)
3.あいさつと連帯のメッセージ Peter Makari(グローバル・ミニストリーズ 中東ヨーロッパ担当取締役)
4.実施パートナーメッセージ・子どもプログラム開催報告 (Juzoor for Health and Social Development: Umayieh Khammash、Hala Labadi、Yihya Abed)
5.オリーブの木キャンペーン Nidal Abu Zuluf(JAIディレクター)

日本YWCA主催で、パレスチナYWCA、現地支援団体との共同企画「パレスチナの今とガザの子どもプログラム報告会」を開催しました。5月11日から11日間続いた爆撃後のパレスチナの現状や、日本からクラウドファンディングで資金支援を行った『ガザの子どもプログラム報告』の内容の一部をご紹介します。

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2021年5月の空爆後もなお、困窮と困難にさらされるパレスチナ
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2007年より、13年以上にもわたりイスラエルからのガザ封鎖が続き、移動の制限、教育・水・食料・医療・電力不足・経済困窮など非常に厳しい状況が続いています。

イスラエルによる侵略によってパレスチナの土地が狭まり、人口密度は増え、若者では60%以上が失業状態にあります。食料危機が起こり、ガザの40%以上が食料を確保できておらず、特に、子どもの10%前後が低栄養による成長阻害、30%前後が衰弱状態にあります。

2021年5月の空爆後、多くの子どもたちが命の危険や家族などの死の恐怖、また空爆が起きるという不安から、不眠、うつ状態、夜間に震えが止まらなくなるなど心理的にダメージを受け、切実な声が相次いでいます。この打撃がパレスチナ全体の将来に及ぼす影響は大きく、私たちが何もしないと深刻化することが身に迫った現実です。

↑パレスチナと中継にて。各団体、教育庁等それぞれの立場からの報告を行った

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子どもプログラムの実施とその後
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パレスチナYWCAは、空爆を経験した子どもたちの心の傷を和らげるため、2021年10月24日~28日にわたり、ガザ地区に基盤を持つ団体(Juzoor for Health and Development)と連携し5日間の心のケアプログラムを行いました。日本YWCAからはクラウドファンディングにより資金面で実施の応援を届けました。

各団体、教育庁、各学校、カウンセラーと連携しながら、100人の子どもたちを対象にプログラムを実施し、子どもたちに第1に心理的サポート、第2に栄養に関するプログラムを行い、コミュニティで健康な食生活を続けていくことを教えました。

その他にも体育プログラム、最終日はガザ地区内でのフィールドワークを行いました。子どもたちの多くは遠くに外出をしたことがなく、フィールドワークでガザ地区とエジプトとの国境であるラファに行ったときには、ここがガザの出口でエジプトにつながっていることを初めて知り、ガザが世界中でどれだけ隔絶されているかを実感しました。

↑プログラム最終日のフィールドワークの様子

プログラム参加者の一人、15歳のサラは、空爆の恐怖のせいで自分を見失い希望をなくしていた日々から、5日間のプログラムを経て人生の見方が変わったと言います。

――「私は人生への情熱を失っていましたが、今ではより良い未来を思い浮かべることができ、生きる価値があると感じています。明日がある限り、毎日新しいチャンスがあります。」

パレスチナの中でも、特に子どもたちは最も弱い立場におかれています。本プログラムでは、子どもたちを心理的・健康的に支え、未来のために支援を続けることの大切さが確認されました。

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おわりに
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登壇者の発言からは、危機と困難が続くパレスチナの状況が語られました。しかしながら、パレスチナYWCAや関係団体が長年の活動で培ったノウハウとネットワークとメンバーの力で、限られた環境の中でもできることが話されました。すべての問題を解決することは、途方もない旅のようにも思えますが、国際的な連帯によって手段が増え、活路が広がることを確認しました。つねに進化する生命体のように、現状を変えていける可能性が未来にはあります。そのためにはより広く、多くの連携を必要としています。このウェビナーが、平和な国際連帯の一つの契機となることを祈り、活動は今後もまだまだ続きます。引き続き、ご協力をよろしくお願いします。

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オリーブの木キャンペーンに参加して、パレスチナにオリーブの苗木を送りませんか?
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パレスチナの国内総生産の14%がオリーブです。パレスチナの人々の生活に深く根差した何万本にも及ぶオリーブが、イスラエルの占領によって根こそぎ荒らされ、広範囲の農家が被害を受けています。

この状況の中、パレスチナの人道団体JAIは20年前より、世界中の人と連帯しオリーブと農民を守り、イスラエルの占領やパレスチナ植民化を終わらせるためのアドボカシーとして「オリーブの木キャンペーン」を始めました。オリーブの木の植樹を拡げることで、雇用創出、環境保全、生活の安定化を図る取り組みです。

日本YWCAを含め、世界12か国30団体がパートナーとなり、2,600人の農民に193,000本ものオリーブの木を配布しました。世界中の支援で、毎年1万本以上のオリーブの木をパレスチナに植えています。

内容を理解してくださる方が支援を拡げ、世界中の人がこのキャンペーンで国際連帯することがパレスチナの人々に希望を与えています。

日本YWCAは、パレスチナの人々に連帯して、オリーブの木キャンペーンを呼びかけています。今年のクリスマスの贈り物として、パレスチナにオリーブの苗木を届けませんか?

<寄付先>
振込先(郵便振替)加入者名:公益財団法人日本YWCA
口座番号:00170-7-23723
振込用紙の通信欄に「オリーブの木キャンペーン」と「お名前のローマ字表記」をご記載ください。
※3,000円でオリーブの木1本を送ることができます。

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