パレスチナYWCA幼稚園支援の呼びかけ

1948年、シオニストの軍事組織によって500以上の村が破壊・占拠され、1万人以上が殺害され、奪われた土地にイスラエルが建国されました。74年が経過する今なお、難民となったパレスチナの人々は故郷に帰ることができず、多くの人が数世代にわたって難民キャンプで生きてきました。

パレスチナYWCAは、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)設立以前から、パレスチナ難民を支援する最初のNGOの一つでした。Aqbet Jaber(ジェリコ県)とJalazone(ラマラ県)の難民キャンプにある2つのコミュニティセンターを通じて、難民、特に女性や子どもたちにサービスを提供し続けています。

両センターには数百人の子どもたちを収容する幼稚園があり、幼児期のケアと教育を提供しています。そこでは、軍事占領下で生きる子どもたちがクリエイティブに学び、健康に育ち、自信を育む場をつくっています。

アスマ(Asma)という少女

アスマはアクバット・ジャベル難民キャンプの小さな女の子です。難民キャンプにあるYWCAの幼稚園に入園した時、アスマは内向的で、どんな活動に参加するのも、クラスメートと遊ぶことも拒み、先生たちにもすぐ反応しませんでした。YWCAのチームはアスマとその家族、特に、あまり社交的でなく、社会関係を持っていない母親と密接に、重点的に関わりました。アスマは大きく成長し、より社会的になりました。実際、現在彼女は幼稚園の活動に参加し、クラスメートと遊ぶのも大好きです。-パレスチナYWCA2019年報告書より-


2020年以降、センターはその持続可能性を脅かす大きな課題に直面しています。 パレスチナ全般、特に難民キャンプにおける悲惨な人道的・社会経済的状況は、基本的なニーズを満たし、パレスチナ難民を支援するという私たちのコミットメントを果たす能力に影響を及ぼしています。COVID-19の大流行が状況を悪化させ、私たちの使命と2つのキャンプの存在を脅かしているのです。

この現状を鑑み、2022年5月16日、日本YWCAはパレスチナYWCAと共に、「ナクバ」の日に合わせてZoomミーティングを開催し、パレスチナの現地の状況を共有し、募金を呼びかけました。

※1948年5月15日は、イスラエル建国と共に数十万人のパレスチナの人々が土地を奪われ難民となった「ナクバ=大惨事」と呼ばれる日です。

以下、パレスチナYWCAより最新の現地の幼稚園の状況を切り取ったビデオが届きました。ぜひご覧ください。

【イベント報告 「ナクバ」から74年~パレスチナ難民キャンプの子どもたちに笑顔を】

5月16日にパレスチナYWCAと共催したオンラインイベントが無事終了しました!

今回のイベントは、5月15日の「ナクバの日(1948年のイスラエル建国によって、パレスチナの地に住んでいたアラブ人が居住地を追われ、難民となったことを嘆く日)」を覚えて開催されました。イベントでは、パレスチナYWCAが運営する難民キャンプ内の幼稚園事業の現状が、現地のスピーカーから説明されました。そして、子どもたちの健全な成育を支援する協働者として、大阪YWCA「大宮保育園」園長を務め、また実際に現地の幼稚園への訪問経験のある宮崎祐さんから連帯と平和を祈るメッセージが共有されました。

パレスチナでは、何十年も不安定な情勢下のなかで、子どもたちの心身のサポートが必要とされています。1950年に難民キャンプで幼稚園事業を開始し、そのサポートの要となってきたのがパレスチナYWCAでした。YWCA の就学前教育は社会的認知学習理論に基づいたもので、子どもの学習への熱意を掻き立て、自分たちの個性を育み、そしてアイデンティティを表現し強化することができます。そして教師は、子どもたちが問題を解決し新しい技能を得るために、自立して調べ物をし、持っている知識や新しい情報を使う手助けをしてきたそうです。

しかし、その幼稚園事業が新型コロナウイルスの流行により危機的経済状況に陥っています。スタッフの給料、幼稚園の運営費のための資金源や修繕費は欠如し、また子どもたちが使用する学習のための道具を改善しなければならないそうです。一方、政情不安や不安定な経済状況から、幼稚園側は保護者への料金引き上げを要求しにくいといいます。

難民キャンプで生活する子どもたちにとって、幼稚園は友達と安心して遊べる場所であり、「子どもらしくいられる」場所です。私たちの未来への希望の光を絶やさぬよう、継続的な支援への協力が呼びかけられました。

パレスチナの人々を孤立させないために、また特に弱い立場に置かれた子どもたちの心身が守られ、健康に成長できる場をつくっていくため、どうかお力添えをお願いします。

皆様のご支援により、私たちのセンターは、難民キャンプで疎外された子どもたちや家族の差し迫ったニーズに応え続けることができるのです。

ご寄付の振込先

郵便振替 00170-7-23723 公益財団法人日本YWCA

※通信欄に「パレスチナYWCA支援募金」とご明記ください

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YWCA(ワイ・ダブリュ・シー・エー/Young Women's Christian Association)は、キリスト教を基盤に、世界中の女性が言語や文化の壁を越えて力を合わせ、女性の社会参画を進め、人権や健康や環境が守られる平和な世界を実現する国際NGOです。
1855年英国で始まり、今では日本を含む100以上の国・地域で活動しています。

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