5April


【報告】パレスチナYWCA主催ユース国際会議・オリーブ収穫プログラム

2018年10月10日~22日、パレスチナYWCA主催ユース国際会議「ユースが参加しユースが決める:自由と正義にむけて」(ラマッラ市)、ならびにパレスチナYWCA・東エルサレムYMCAの合同プロジェクト「JAI」による「オリーブ収穫プログラム」(ベツレヘム地域)が開催され、日本YWCAから2名が参加しました。以下は、プログラムの報告記事になります。

参加者の1人は、参加した印象を以下のように述べています。「旅行のことを話すときは楽しかったやおいしかったと最初に一言で言い表すのが常だったが、今回はそれができない。もちろん、オリーブ収穫はとても楽しく、毎日の食事もとてもおいしく、出会う人みな友好的で親切だった。でも人々の生活や、移動や観光等一つひとつの行動をどう思い出しても、『占領されている』という言葉が最初に浮かんでくる。」
パレスチナでは、1917年の「バルフォア宣言」以後、シオニズム運動による土地の収奪とパレスチナ人の排除が進められてきました。特に「ナクバ(大災厄)」と呼ばれる1948年、シオニストの軍事組織によって500以上の村が破壊・占拠され、1万人以上が殺害され、奪われた土地にイスラエルが建国されました。75万人以上のパレスチナ人が難民となり、現在も故郷に帰れずにいます。ユダヤ人入植地の拡大や分離壁の建設などによって、土地の収奪と分断は今も続いています。
「ナクバ」から70年の年に、平和構築におけるユースの役割をテーマに開催された国際会議には、ユース337人を含む516人が参加し、封鎖され空爆を受けているガザからもユースがビデオ中継で参加しました。教育を受けても職がなく、2006年以降議会選挙が行われず選挙権を行使できない、デモに参加したりSNSに投稿しただけで逮捕・投獄されるなど、人権を否定されている状況が共有されました。
「オリーブ収穫プログラム」では、世界各国からの参加者とともにオリーブの収穫作業を手伝いました。これらのオリーブ畑はイスラエルが警察権や行政権を行使する区域にあり、拡大を続ける入植地に脅かされており、農家の人たちは、入植者の攻撃のために自分の農地で作業をすることも難しいそうです。
両プログラムに先立って行われたフィールドワークでは、入植者による占拠・家屋の収奪に脅かされるヘブロンやエルサレムの旧市街や、エルサレムに向かって拡大する巨大な入植地とそのために強制撤去されつつあるベドウィンの村を訪れ、70年間帰れずに何世代もの難民が暮らすデヘイシャ難民キャンプでは、夜中に踏み込んできたイスラエル軍に14歳の息子を射殺された父親に出会いました。
日本YWCAが準備したワークショップでは、パレスチナへの日本のかかわりについて発表しました。日本政府はパレスチナに多額の資金援助を行う一方、イスラエルによる人権侵害に対して強い態度を取っているとは言えない状況にあります。ワークショップではまた、日本軍「慰安婦」問題、辺野古の軍事基地建設が進められる沖縄の状況を共有し、異なる立場にあるユースが共に声をあげる可能性を提示しました。
プログラム中、繰り返し言われた言葉は、「ここに来て、見て下さい。帰ったら伝えてください」というものです。パレスチナで出会ったのは、今までの自分の常識では考えられないような不正義がまかり通っている状況であり、同時に、「生き続けることが闘いだ」と希望を捨てない人たちでした。これは、遠い国の他人事ではなく、日本に住む私たちに直接関わる問題です。私たちの立場がどこにあるか、何ができるのか、より多くの人が知り、考えるためのきっかけを今後も発信したいと考えています。

▲ページの先頭へ