28Mar.


参加報告:国連人権理事会グローバー勧告を受けて
福島原発事故後の「健康の権利」の現状と課題


3月20日、国連・人権理事会の「健康への権利」に関するアナンド・グローバー特別報告者の来日を受け、表題のシンポジウムが開催されました。以下、参加したメンバーからの報告です。

「グローバー勧告」とは、国連人権理事会のアナンド・グローバー特別報告者が、2013年に国連で、福島第一原発事故後の人々の「健康に関する権利」の実情について発表した報告書に含まれる勧告のことである。
グローバー特別報告者は、2012年に来日し、福島県をはじめとする住民の健康状態等の調査を行っている。 主な内容は日本政府に対する勧告で、原発事故の初期対応の策定と実施や原発事故の影響を受けた人々に対する健康調査、放射線量に関する政策・情報提供などに関するものである。

グローバー特別報告者は、原発事故後の健康調査を日本政府が適切に行う必要を強く主張した。また、福島県・双葉町が、原発を建設する際に、万が一事故が起こった場合に住民はどうするか何も決めていなかったり、事前の説明がなかったりしたことを知り、震災のマネジメントシステムが欠如していることに憤りを感じたと話した。
健康と人権を脅かす要素として、除染政策や原子力規制委員会の独立性への疑問も挙げ、「本来であれば、健康に関する権利も住民参加の中で議論し決定することが大前提である」と述べた。

グローバーさんが驚いたのは、原発事故後の日本人の静かな態度だという。原発での作業員は、非正規労働者でありホームレスの人が多い。労働者の権利をないがしろにしたまま高線量のところで働かせ、使い捨てにされる。同じことがインドで起これば、すぐに街中で抗議が起こるという。
グローバーさんは、「victim-被害者/被災者-」という言葉ではなく、「survivor-サバイバー-」という言葉をもってエンパワーするべきだ、正義のためにあなたから変化を起こしていこうというメッセージを残した。
また、今回のシンポジウムでは、グローバーさんの再来日に際し、双葉郡医師会顧問の井坂先生、高木学校の崎山先生や会津で子どものための活動をする方など、多様な意見を聞くことができた。

参考資料:アナンド・グローバー特別報告者報告書日本語版(訳:ヒューマンライツ・ナウ)
http://hrn.or.jp/activity/topic/post-213/ (外部サイトです)

▲ページの先頭へ