16Nov.

草の根の女性の力で、女性に対する暴力に立ち向かう: YWCA国際研修会(ITI)報告


女性に対する暴力、平和構築、女性のリーダーシップをテーマにした6日間のYWCA国際研修会(International Training Institute, ITI)が、2012年11月3日~8日、世界YWCA主催のもと韓国を会場に行われました。 日本YWCAからは2名の若い参加者を派遣し、日本のYWCAが長年実施しているDVに遭った女性のシェルター事業やカウンセリングサービス、あるいは軍事基地・兵士の存在によって脅かされる女性の人権について、世界のYWCAの仲間たちに伝え、国境を越えた草の根の連携を深めてきました。

ITIには、アジア、アフリカ、中東、ヨーロッパ、南北アメリカ、太平洋やカリブ海諸島地域から30カ国・50人余りの、学生からシニア世代の女性たちが参加しました。年齢・文化・国の違いによらず、皆対等の立場で、世界共通の課題として立ちふさがる「女性に対する暴力」の問題を、それぞれの国や地域の現状を共有しながら分かち合いました。そして、ワークショップ、専門家らによるレクチャー、フィールドワーク(現場訪問)など、多様なプログラムを通して、女性に対する暴力撲滅のためのアドボカシー、教育、政策提言などの具体的な手法を学びました。

ITIを韓国で開催したのには重要な意味があります。 2011年夏にスイス・チューリッヒで開催した世界YWCA総会で、韓国YWCA・日本YWCAが共同提案した「平和を求める:朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)の女性と子どもの人権を強化する」と題した、総会決議文が採択され、北朝鮮の女性と子どもの人権状況改善のために、全世界のYWCAをあげて取り組む決意をしたのです。

この決議を受け、ITIでは38度線の非武装地帯(DMZ)を訪問するなどし、停戦状態の現実についても学びました。オーストラリアからの若い参加者は「国境の両側で護衛に駆り出されている若い兵士たちを見ていると、過去の戦争が続いていること、向こう側は敵であるという印象を、何が何でも持ち続けさせようとしている力が働いているように見える。若い兵士たちはきっと、故郷の恋人のことや兵役が終わったら何をしようかなどの雑談をしながら守備位置に立っているのだろう。60年前に分断されたとはいえ、ほぼ同じ言語や文化を共有する韓国・北朝鮮の兵士たちだから、きっと一緒にテーブルを囲むことができれば、そうした日常生活の話をするに違いないのに」と、DMZ訪問の感想を語りました。

世界125カ国に拠点を持つYWCAは、ITIをおよそ2年に1度の頻度で開催しています。毎回、開催地域に特徴的な課題や、あるいは世界共通の問題をテーマに取り上げ、国籍・文化・言語を超えた草の根の女性の力で社会を変えていく方法を積み上げています。

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