
143 号 March 2010 日本語版 抜粋
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目次
世界のYWCAから
特集:北京世界女性会議、その後
女性のエンパワメントを促進する
行動をおこす:政治におけるジェンダーの壁を乗り越える
若い女性たちの視点:若い女性にとって向こう15年で最も重要な問題
変革を導く:「北京+15」 世界の運動の現場から
HIVとAIDS:若い人たちにとってのHIVとAIDS
世界YWCAから
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Feature 特集: 女性のエンパワメントを促進する: 向こう15年のアプローチ
(本文からのつづき…)
世界YWCAは1995年、女性をエンパワーし、世界平和と開発の分野で女性たちが能力を発揮するための12の重大問題領域の特定・定義・提示をした多くの声の一つでした。北京行動綱領により、女性の地球規模での課題が作成され、女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約(CEDAW)が補足されました。5年後の2000年に国連安全保障理事会は「女性・平和・安全」を中心に据えた決議1325号を採択しました。そして2009年、国連総会はジェンダー平等を推進する包括的な機関設置の決議を可決しました。
しかしながら世界中の女性たちは、多くの法律や政策、意思決定機関による声明が存在するにもかかわらず今もって差別や虐待を受け、社会的地位も低いままです。将来にむけて、やりがいがあり、胸が躍り、革新的な、私たちに希望をもたらすものとは何でしょうか。女性のエンパワメントとジェンダー平等を達成するために、次の10年はアプローチや方策を大幅に転換させなければなりません。
第一に、強力で実践的な人権に基づいたアプローチを実現するには、適正な予算と質の高いサービスそして高度なスキルを持つ人たちの支援が必要です。北京会議の重大問題領域の共通部分において、このアプローチは人権が相互に関連していることを再確認させますが、それは政府や家庭、教会、コミュニティが説明責任を負わない限り実現しないでしょう。
また、世界YWCAは包括的予防アプローチも提言します。十分に計画され豊富なリソースに支えられた、少女への教育支援のようなコミュニティレベルの介入は、暴力やHIV感染、出産時死亡や中途退学などのリスクを削減できます。
女性と少女への投資は引き続き女性のエンパワメントの中核であり、自立した家族やコミュニティを形成するものです。「少女を教育することは、国を教育することである」という諺は言葉通りの意味で実行されなければなりません。そして次の10年は、教育、トレーニング、技術知識の管理に焦点をあてる必要があり、それには女性と少女がリーダーシップを発揮できるより多くの機会の提供が伴っていなければなりません。また、有効な文化的価値と、伝統に基づいた世代間のアプローチも求められます。これにより個人としても集団としても女性と少女の潜在能力が発揮されることでしょう。
エンパワメントのためのもうひとつの必須条件は、女性と少女の安心と安全です。将来にわたり、暴力・性的虐待・搾取・人身売買・性奴隷やその他の虐待を受けない生活を保証する、女性と少女のための安心で安全な場をつくるには、説明責任と想像力が求められます。つまり、女性と少女は家庭・学校・礼拝の場・居住する都市やコミュニティで楽しんで生活すべきだ、という考えに基づいています。 (つづく…)
日本YWCAでは、コモンコンサーン日本語版の販売を行なっております。
年3回発行/B5版/1部300円(送料別)/年間購読1000円(送料込)
ご注文・お問合せ先;
日本YWCA (国際担当:根岸)
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