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135号 September 2007 日本語版 抜粋

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目次

はじめに   
国際女性サミット   
前向きな反響  
宗教とHIV、AIDS   
タブーに挑戦する宗教指導者たち   
コミュニティの中心から導く   
女性自らの手による予防策   
ナイロビ2007行動要綱   
世界YWCA総会   
女性の「変革への力」に投資! 
ムシンビ・カニョロ世界YWCA総幹事   
2008-2012 世界YWCA 戦略的枠組み   
世界YWCA総会決議   
新しいリーダー   
世界YWCA次期会長・総幹事 Q&A   
世界YWCA総会ハイライト
  
INTERNATIONAL WOMEN’S SUMMIT(IWS)
国際女性サミット
前向きな反響


300人以上のHIVと共に生きる女性や少女が国際女性サミットに出席して、中央の演壇で発言し、開会中の進行現場を支え、世界中から参集した女性たちとお互いのスキルを共有し、ネットワークを作りました。

ソフィー・ディルミティス/Sophie Dilmitis
「ポジティブ女性のフォーラム」は、国際女性サミットが開幕した2007年7月4日に開かれ、そこではHIV陽性の女性があらゆる場に参加することは、いまや議論の余地がないという明確なメッセージを打ち出しました。「Canadian Treatment Action(カナダ待遇改善活動)」のLouise Binderは、「私たちに関わることは、私たち抜きに進めないで」とサミット本会議で訴えました。

「HIVおよびAIDSと共に生きる女性国際コミュニティ(ICW)」や、その他ポジティブの女性のネットワークとの連携により世界YWCAが開催した「ポジティブ女性のフォーラム」には、世界中から集まった300人ものポジティブの女性が一堂に会し団結を強めました。このような会議の開催は初めてのことであり、歴史にその名を刻むことになるでしょう。以前にもポジティブの女性たちの会議は開かれていましたがいずれもごく小規模なもので、このように世界規模で開催されたことはありませんでした。

このフォーラムで達成された大変重要なことのひとつは、ポジティブの女性たちのネットワークづくりとお互いの体験を分かち合う場が提供されたことでした。これは、彼女たちが生きていく上でとても大事なことなのです。初めて自分の国を離れ、飛行機に乗り、他のポジティブの女性たちと出会い、いかにAIDSがさまざまな形で女性たちに影響を与えているかを知った参加者もいました。

フォーラムの閉会に際して(カナダの団体、「Treatment Information」理事の)Darien Taylorは次のように述べました。「フォーラムの開催中、さまざまな体験が語られました。それはポジティブの女性たちが集まり、それぞれの人生や抱える問題を話す機会があれば、いつも起こる現象です。実際の活動はどうなっているのですか、このフォーラムの後はどうなっていくのですか、と言う人がいるかもしれません。しかし、ここで私たち自身の話が共有されること自体が重要であり、これからの活動と勧告に向けての第一歩であると認識することが大切なのです」

結束と、その結束を通してのHIVと共に生きる若い女性たちへのメンターシップが、ポジティブの女性たちにとっていかに大事であるかということをこのフォーラムは示しました。そのことがはっきり示されたのは、出生時にHIVに感染した15歳のStephanieが「不安や差別によって皆さんのパワーが誰にも奪われないようにしましょう。自分が思っている以上に皆さんは強いのですから」と、初めて経験する国際的な催しで力強く発言したときでした。適切なメントーリングと指導を受け、リソースを与えられたとき、若い女性たちがいかに影響力を持つかをStephanieは実証しています。このような重要な会議への参加を形ばかりに終わらせるのではなく有意義なものにするために、すべての女性にとってリソースとスキルと能力開発が必要なのです。

フォーラムの開催中、「Well Project(HIVポジティブの女性のための非営利型企業)」から参加したDawn Averitt Bridgeは女性のリーダーシップについて講演し、女性たちの団結力と強さをポジティブの女性の立場から強調しました。重要なのは私たち個々の事例ではなく、また私たちが何者であろうと、どんな階層に属していようと、HIVに感染しているがゆえに何度も同じようなやりかたでいかに私たちの人生が打撃を受けているかということなのです。そして、コミュニティの持つ価値を十分に認識し、私たちの怒りを前向きで先見性に富んだものに変えていけるリーダーとなり、世界中のポジティブの女性たちの問題を訴えるために彼女たちを意思決定機関に送り込むよう強く訴えました。

政策とアドボカシーの要となる課題を検討する中で、ICWの南アフリカ地域代表、Gcebile Ndlovuは、人権、国際協定および国際法について概略を説明しました。これら(の法的な保護条項)は、ポジティブの女性やHIVと共に生きる人々に関する場合、一般的に無視される傾向が往々にしてあります。さらに「アドボカシーについては、私たちは政府当局や政策立案および実施者の番人となり、ポジティブの女性のためにそれらの実施策が確実に機能しているかどうかを監視する必要があります」と言いました。

その日一日、予防の強化・治療法・ケアと支援の促進などについてたくさんの問題が取り上げられました。「All Ukraine Network of People living with HIV(全ウクライナHIVと共に生きる人々のネットワーク)」のIrina Borushek代表によると、東ヨーロッパでは、自分で静脈注射をしているドラッグ常用者は緊急に必要な処置を受けられず、他のHIVと共に生きる人々と同じ権利を享受できていないということでした。

女性たちは、HIV予防のためのABCメソッド(A・Abstain―禁欲、B・Be Faithful― 性交渉の相手を一人に特定、C・Condom Use― コンドーム使用)が女性を守るための方法として機能していないことや、HIV予防は、人権擁護の視点から取り組む必要があることなどを訴えました。また、HIV予防・治療、そしてケアと支援は密接に関係しているので、健康管理プログラムはそれらを総合的に組み込んだ形で実施されるべきであると明確に主張しました。

このことは、出産前後の時期の感染防止についての討議で、その必要性が浮き彫りにされました。つまり、母子感染を予防するだけでなく、母親の生命を維持することについても焦点をあてる必要があるということです。参加者は、女性と若い人に配慮した、HIV予防および治療策と連動する、性と生殖に関する包括的な保健サービスの重要性を強調しました。そして、HIV予防と治療の方策を立てるために一致協力していくことを参加者たちは確認し合いました。

また、女性用コンドームやマイクロビサイド(Microbicides 殺菌剤)の開発のような、女性主導のHIV予防法を支援することについて徹底した討論が行われました。AIDSが蔓延して数十年を経ているにもかかわらず、女性の多くはいまだに自らが主体の感染予防の手段に手が届いておらず、コンドームの使用は男性パートナー頼みであったり、禁欲だけが唯一の予防策であるという事実は衝撃的です。国連エイズ合同計画のPeter Piot事務局長は、フォーラムの閉会式に出席し、「どのような予防策でも「唯一の」という言葉がついているようなものは失敗する可能性が高い」と言いました。そして女性に効果的な感染予防活動には、男性もその解決策の一翼を担う形で協力することが肝要であると述べました。

女性の健康を支える企業の役割についても、治療・ケア・支援というテーマでさまざまな模索・検討が行われました。民間分野は政府ともっと効率的な協同作業を行うことにより、発展途上国で薬が確実に継続的にいき渡るようにできるのです。それにより、多くの国々で現在問題となっている、女性が薬不足のために服薬を続けられない状況を解消できるのです。

「ポジティブ女性のフォーラム」は大成功でした。集会で築かれた私たちの団結はその日一日のみにとどまらず、国際女性サミットの開催中、あらゆる分科会やパネル・ディスカッションの場でポジティブの女性たちの発言が聞かれるなど、多くの成果を挙げたからです。何よりも重要なことは、それぞれのコミュニティの女性たちの生の声が聞こえたことでした。

私たちは引き続き自分たちの体験を共有し、ほかの人々を勇気づけて固定概念を変え、新しい考え方を創り上げていく開放的な雰囲気を育てていかなければなりません。私たちはこの盛り上がりと勢いを保持し、私たち自身やお互いをエンパワーし、自分たちの人生を楽しみ、そして、健全な子どもたちを育てていかなければなりません。私たちは、女性の権利、とりわけポジティブの女性の権利が支持され尊重されるようになるまで、なんとしてもこの活動を続けていかなければなりません。ポジティブの女性たちは、自分たちだけでなくコミュニティの人々の生命と生活のためにも闘っている強いパートナーです。(つづく)

日本YWCAでは、コモンコンサーン日本語版の販売を行なっております。
年4回発行/B5版/1部300円/年間購読1000円(送料別)
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