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130号 June 2006 日本語版 抜粋
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目次

はじめに
今、地球上では(アルゼンチン/アメリカ領サモア/ボリビア/バチカンへの旅)
特集:女性に対する暴力との闘い−パプアニューギニア
中国YWCA訪問報告
Take Action:経済的公正と女性
変革を導く−バスマ・ビン・タラル王女(ヨルダン)メッセージ
活動する若い女性たち:国連女性の地位委員会(CSW50)
ケニア世界総会
南スーダン、ヤンビオの女性たち
HIV/AIDS最新情報

特集
女性に対する暴力との闘い:パプアニューギニア

「これは社会で容認されていることだし、通報することで被害者が受ける恥のことを考えれば、のどかなポートモレスビーの近隣の人たちも、ましてや被害者自身も警察に知らせることなどできなかったのです。」

YWCAのTシャツを誇らしげに着る女性会員たち。「真の男は女を殴らない」は2005年の非暴力週間におけるポートモレスビーYWCAのスローガンで、特に若い女性会員に人気がありました。このメッセージは広く社会に伝えられなければなりません。

パプアニューギニアにある郊外の静かな村の午前2時、締め切ったドアの中から男性が女性を殴る音がします。「お願い、もうぶたないで!」静寂を裂く女性の叫び声。妻を虐待する音に混じって、泣きじゃくる子どもたちの声が聞こえます。

パプアニューギニア(PNG)では女性に対する暴力が日常的に行われています。このまま何の対策もとられなければ、この問題は男性優位の社会で無視され続けるでしょう。

PNGレポートによれば、妻である女性の3人のうち2人が夫に殴られており、都市部に住む6人に1人が夫に負わされた傷で病院の治療を受け、農村部に住む夫に殴られた妻の57パーセントが凶器となる道具などで殴られています。

ドメスティック・バイオレンスには、夫による夫婦間レイプ、親や近親者による子どもへの身体的・性的虐待、子守や使用人に対する性的いやがらせやレイプ、そして一夫多妻婚における妻同士の暴力などが含まれます。精神的虐待も身体的虐待に伴って起きています。妻・パートナー・家族の中の女性や子どもたちは繰り返される虐待に苦しみ、侮辱的な言動や辱めによって自尊心を徐々に失っていくのです。
家の外でも女性と少女はレイプの危険にさらされています。権力者や頼りとする相手による性的いやがらせや暴行もあります。加えて、少年少女への性的虐待や搾取も増加しています。


 

パプアニューギニアYWCA 2004 の統計資料によれば、女性への暴力で主なものは、18歳以下の少女へのレイプ、10歳以下の子どもに対するわいせつ行為そして殺人です。  また、加害者の多くは教育のある年上の男性で、虐待は家庭内で起きることが圧倒的に多いことが明らかになっています。
この暴力と闘うためにはまず、この国の社会通念を正し、女性に対するいかなる暴力も容認されないという考えを社会に浸透させなければなりません。

その闘いのよりどころとなる国連の決議があります。1993年になされた「女性に対する暴力の撤廃に関する宣言」です。宣言は女性に対する暴力を「性に基づくあらゆる暴力行為であって、女性に対する身体的、性的もしくは心理的危害または苦痛を与える、またはそのおそれのあるものをいう」 と定義しています。

1995年、パプアニューギニアは女性差別撤廃条約を批准しました。  そして同国の憲法も、これは国民すべてに等しく尊重と保護を保障する礎となるものである、と明言しています。
レディ・キャロル・キドゥは、パプアニューギニアでただ一人の現職女性国会議員、また社会開発相として、女性に対する暴力の原因究明と問題解決に力を注いでいます。
統計を見れば憂慮すべき状況ではありますが、切実に支援を求める女性たちに、YWCAをはじめとするNGOや女性政治家が手を差し伸べ、救済活動は着実に進展しています。また、教育と社会全体の意識の向上を通じて、女性に対する暴力を容認するような社会規範も変えていこうとしています。

パプアニューギニアYWCAでは、地域ごとに、識字教育、女性に対する暴力、性に関する健康などのさまざまな問題の教育を通じて、暴力をなくす取り組みを進めています。女性に対する暴力や健康的な生活習慣など、社会問題を扱う成人向けの読み書きのクラスは、特に成果をあげています。
地域を拠点に活動する他のNGOも、法的なサポートや被害女性とその子ども向けのシェルターを提供し、心理カウンセリングを行うことで暴力の被害者を支援しています。

教育と意識の向上こそが社会全体に義務や権利の理解を深めることにつながります。適切な法的救済策が定められ、同時にそれらが確実に実行されてゆけば、いつの日か女性への暴力は完全に制御されることでしょう。パプアニューギニアや、同様の問題を抱える国々で女性に対する暴力が完全に撲滅されないとしても、女性は夜、夫に暴力を止めてと叫ぶ時にも恥じることなく助けを求めるでしょうし、近所の人も心配して警察に通報してくれるでしょう。警察もまた、そうした通報には当然真剣に対応してくれることでしょう。(つづく)

日本YWCAでは、コモンコンサーン日本語版の販売を行なっております。
年4回発行/B5版/1部300円/年間購読1000円(送料別)

ご注文・お問合せ先;
日本YWCA (国際担当:根岸)
Tel:03-5367-1872
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