2008年04月20日
近況報告:ケニア大統領選挙後の暴動に対するYWCAの行動(要約)
状況
2008年2月29日、ムワイ・キバキ(Mwai Kibaki)ケニア大統領とライラ・オディンガ(Raila Odinga)野党代表は、希望と暴力反対を掲げた連立政権樹立に合意し、2ヶ月におよぶ危機の収束をはかりました。1500人を越える犠牲者と多数の難民・避難民の多くは、女性や少女、そして子どもたちです。
YWCAの行動
政治的合意に先立つ2008年1月9日、世界YWCAとケニアYWCAは暴動に対し、次の3つの分野について行動を表明しました。
1.キャンプに滞在する避難女性のニーズに応える
2.調停プロセスへの女性の参加を促す
3.多様性の尊重を広めることで、地域の平和を促進する
成果
1. 人道的対応
モンバサの国内避難民キャンプで、新生児を抱く19歳の母。暴動により病院は閉鎖・破壊され、産後のケアを受けられずにいる。

モンバサの国内避難民キャンプで、新生児を抱く19歳の母。暴動により病院は閉鎖・破壊され、産後のケアを受けられずにいる。
a) 国内避難民キャンプ、一時滞在用キャンプ等での避難女性の支援
・女性と子どもの緊急ニーズ調査
・金銭、衣食住の現物支援
b) 避難女性と子どもの支援
・妊娠中の女性、授乳中の女性、少女、子どもへの、衣食住と心身のケアの提供
・経済的自立のためのトレーニング
c) パートナーシップ
・ケニア赤十字、Solidarity with Women in Distress (危機にある女性の連帯)などとの協働
d) HIVポジティブの避難女性の支援
・HIVと共に生きる女性たちのネットワークへの紹介
・カウンセリングの実施と抗レトロウィルス治療の紹介
2. 調停プロセスへの女性の参加を確実にする

世界教会協議会(WCC)“Living Letter”宗教者のケニア訪問で、平和交渉への女性の完全参加を訴え、オディンガ野党代表と会談するグンボンズバンダ世界YWCA総幹事。
a) 国連決議
・国連安全保障理事会決議1325(注*)およびAfrican Union Solemn Declaration on Gender
Equality(男女共同参画におけるアフリカ連合宣言)に則った能力開発の実施
b) 政治・社会・宗教界へ女性の声を届ける活動
・コフィ・アナン調停チームへ宛てた「ケニア女性の宣言」作成への参加
・ムワジュマ・アボック(Mwajuma Abok)ケニアYWCA総幹事の宗教者間調停チームへの参加
・ニャラザイ・グンボンズバンダ(Nyaradzai Gumbonzvanda)世界YWCA総幹事の世界教会協議
会(WCC)”Living Letters”ケニア訪問への参加
・UNIFEMなど、男女共同参画に取り組むNGOとのネットワーキング
3. 地域の平和構築と多様性の尊重
和平交渉への女性の参加を訴える会議を、世界教会協議会“Living Letters”訪問団と共に開催した。
4. アドボカシーとメディア ―国際社会へ訴える―
・International Women’s Tribuneなど、国際的な媒体への報告書や声明文の掲載
・ケニアの主要新聞、The East African Standardが避難民支援活動を掲載
・Voice of Americaなどラジオインタビューへの出演
・ノルウェーとスウェーデンが共同する、ケニア女性ジャーナリスト主導のキャンペーンへ参加
・国連女性の地位委員会(CSW)参加者が声明文を会議へ持参
5. 協働関係とリソースの動員
・個人と団体による9万2千米ドル(目標額10万米ドル)の募金総額を達成
・ケニア赤十字、UNIFEM、ケニアキリスト教協議会、世界教会協議会など、女性・保健・宗教に関係す
る、地域あるいは国際的な団体との協働と関係強化
次への一歩
世界YWCAとケニアYWCAは、和平交渉への女性の参加、女性のニーズへの対応、妊産婦の支援、HIVポジティブの女性の支援を、他団体と協働しながら引き続き行っていきます。

暴力の終焉の次は、正義にあふれ、尊重・忍耐・多様性を受け入れるコミュニティ構築が目標になる。この目標達成には、女性のリーダーシップが欠かせない。
注 *「国連安全保障理事会決議1325」(S/RES/1325(2000))は、紛争が女性に及ぼすさまざまな影響について初めて取り上げた国連決議で、紛争の防止や解決に関する意思決定において、女性の果たす役割を再確認し、平和な世界をつくるプロセスへ女性が参加し、活躍できるようにすることをうったえたものです。
(2008.4.2日本YWCA発信)

